細菌性胃腸炎
病原菌として、病原性大腸菌、サルモネラ菌、カンピロバクター、エルシニア菌、腸炎ビブリオ、黄色ブドウ球菌、赤痢菌、コレラ菌などがあります。
原因
ウイルス性胃腸炎における主な感染経路は、病原体が付着したものや手などに接触することで起こる接触感染です。
そのほか、ノロウイルスや細菌性胃腸炎では、経口感染といって病原体が口から体内に入ることで感染する経路があります。
ノロウイルスでは生牡蠣や貝類を加熱せず食べた場合やノロウイルスに感染した方が調理を行い、汚染された物を食べた場合などに感染を起こします。
症状
下痢、腹痛、嘔気、嘔吐、発熱が主な症状です。
一般的に細菌性の場合は症状が強く、腹痛、発熱、血便などの強い症状を伴うことが多いです。
診断法
まずは患者の症状や状況の聴取から診断します。
多くの場合は、食べた食品や状況、発症季節や海外渡航歴、発症までの時間、同行者・家族内発生の有無、便の性状や回数などから原因となる細菌やウイルスを推定します。
原因となる細菌やウイルスが分かったとしても、基本的な治療方法は変わりがないことが多いため、原因となる細菌やウイルスを特定する検査は必須ではありません。
症状が数日以上長引く場合には、便の培養検査や、炎症性腸疾患(潰瘍性大腸炎・クローン病)などほかの疾患の可能性を疑い大腸内視鏡検査を行います。
治療法
ウイルス性腸炎に抗菌薬は効かないため、特効薬はありません。
主な治療は、腸管の安静、水分摂取などの対症療法となります。
また、症状に応じて整腸剤、解熱鎮痛剤などを内服し、症状を緩和する治療を行います。
全身状態が改善すれば、1週間程度で自然に回復します。
細菌性腸炎に対しても、症状が軽い場合には、ウイルス性腸炎と同様に対症療法を行うことで改善を得られることも多いため、必ずしも抗菌薬は使用しません。
高熱や激しい下痢、血便など症状が重い場合には抗菌薬での治療を行います。
予防
ウイルス性でも細菌性でも、もっとも重要な予防方法は手洗いや消毒を行うことです。
食事や調理の前、トイレの後はしっかり手洗いをするようにしましょう。
生の肉や魚、貝などの摂取でも感染するため、生鮮食品はよく加熱してから食べるようにしましょう。
細菌は高温多湿の状態だと増殖が活発になるため、外に放置したりせずに購入後はすぐに冷蔵庫に入れて保存するようにしましょう。