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慢性胃炎(ピロリ菌感染胃炎)

慢性胃炎とは、胃が長期間にわたり慢性的に炎症を起こしている状態です。
慢性胃炎にはヘリコバクター・ピロリ菌の感染がかかわっていると考えられています。
ピロリ菌に感染することで少しずつ胃粘膜が傷つけられ、何十年にもわたって徐々に炎症が広がっていきます。


痛めつけられた胃粘膜は腸上皮化成や萎縮性胃炎という状態となります。
これらの粘膜からは胃がんが発生しやすくなります。
そのため、慢性胃炎は前がん病変として注意が必要です。

また、①胃がんは日本人に多く、②ピロリ菌の感染者は、未感染者に比べて胃がんのリスクが10倍以上、③胃がん患者の90%以上の方がピロリ菌に感染しているといわれています。
そのため、ピロリ菌感染が確認された場合は早めの除菌治療をお勧めします。

胃がん検診でもこの慢性胃炎が重要視されており、ピロリ菌が確認された場合は除菌治療が推奨されております。

原因

ピロリ菌の感染によるものと考えられていますが、どのようにピロリ菌に感染するのかは、はっきり解明されていません。
しかし、多くの場合は、免疫機能が発達していない幼少期に経口で感染すると考えられており、大人になってからの感染はほとんどありません。
これには衛生状況が大きく関わっており、衛生環境がまだ整っていないころに幼少期を過ごした60代以上の方の感染状況は約60~70%と高率なのに対し、現代の10代の感染状況は10%以下と低率です。

症状

胃痛、腹部膨満感、腹部不快感、嘔気、嘔吐、胸やけ、食欲不振、全身倦怠感などさまざまです。
症状がほとんどない方も多く、検診や人間ドッグなどで行う胃内視鏡で指摘されることも多いです。

診断法

胃内視鏡検査によって直接確認し、胃内の状態、ピロリ菌の有無、必要により病理組織(細胞)の検査をします。

治療法

ピロリ菌の感染を認めた場合、内服薬による除菌治療を行います。近年は抗生剤の耐性菌の増加で除菌治療の成功率は70~80%となっています。
後日、呼気試験によってピロリ菌がいなくなったか確認します。
もし除菌が失敗した場合には、抗生剤の種類を変更して二次除菌を試みます。再除菌率は約90%です。

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