胃がん
胃がんとは、胃の粘膜から発生する悪性腫瘍です。
男女比2:1と男性に多いのが特徴です。
危険因子としては喫煙、濃い食事などの生活習慣があげられます。
原因として、ヘリコバクター・ピロリ菌の感染により胃粘膜が傷つけられ、胃がんが発生することがほとんどです。
①胃がんは日本人に多く、②ピロリ菌の感染者は、未感染者に比べて胃がんのリスクが10倍以上、③胃がん患者の90%以上の方がピロリ菌に感染しているといわれています。
そのため、ピロリ菌感染が確認された場合は早めの除菌治療をお勧めします。
症状
初期には、ほとんど自覚症状がありません。
がんが進行するにつれて、食欲不振、体重減少、嘔気、嘔吐、嚥下困難などの症状があらわれます。
診断法
胃内視鏡検査により直接確認し、見つけにくい無症状、あるいは初期の胃がんを発見することができます。
その際、病理組織(細胞)を調べて確定診断をします。
また、周辺臓器への広がり、リンパ節や肺・肝臓などへの転移の有無を調べるためにCT検査を施行します。
治療法
何よりも大切なのは早期発見・早期治療です。
胃がん検診やピロリ菌の除去によって胃がん死亡率は減少しつつあります。
早期に発見ができれば内視鏡により治療が可能です。
進行した場合には外科的手術が選択されます。
最近ではESD(内視鏡的粘膜下層剥離術)、腹腔鏡手術などの手術手技の発達により体への侵襲が以前とくらべ小さくなりました。
また根治術が不可能な場合は化学療法が行われることが多いですが、化学療法も進歩しており、治療成績は改善しています。
胃がんは、以前と比較しピロリ菌の除菌や手術手技の進歩などにより予後は改善傾向です。
定期的な内視鏡検査による早期発見・早期治療が大切です。